経営のヒント16 常識を疑え!ハーレーから学ぶ、経営革新!



どん底からの脱出(ピンチはチャンス)
「事業定義」を「見直す」ことにより、全てが変わった!
「ハーレーダビッドソン 脱常識経営」
ハーレーダビッドソン!!http://www.harley-davidson.co.jp/


 今年の8月、創業百周年の祝いがハーレーダビッドソンの本社のあるミルキーウォーキーであり、世界各国から20万人を超える人が祝いに集まったという。もちろんハーレーに乗って!!

はっきりいって製造コストも販売価格も高く(なんと平均単価200万円のバイク)何より高性能でもなく超スピードが出るわけでもないこのバイク。
ハーレーはここ17年間連続増収増益で売上営業利益率は20%を上回る。
86年の株式公開以来、株価は100倍以上に上昇という。

 記事(週刊ダイアモンド)によると85年末までは資金繰に窮して倒産寸前だった。
 金策がついても「壊れる、部品は供給されない、乗りにくい、ニッチメーカーのため製造コストは高い」・・・。


ハーレーの生き残り策は何だったのか。
 それは、世の中が高性能、低価格の追求に進む中、なんと他メーカーが進む道をあきらめ、欠点を逆手にとった、という。
低価格・高性能=いいバイクを疑い、常識を変えたというのだ。


そのポイントは3つ。

1つは、商品開発における3原則の追求。
 「ルックス(外見)」「サウンド(排気音)」「フィール(乗り心地)」。
 高価格に合う「ハーレーらしさ」の追求に特化した。

2つめが、ブランド管理。ロゴマークの使用、ディーラー店舗の内外装についても厳しい取り決めがあるらしい。こうしたイメージづくりが、ファンの気持ちを維持する。

そして3つめがコミュニティだ。
 HOG(ハーレーダビッドソンオーナーズ・グループ)は、ハーレーのオーナーの集まりで会員数は72ヶ国、約78万人に上るという。
 資格は、とにかくハーレーのオーナーであること、というからすばらしい。
 http://www.harley-davidson.co.jp/hog/index.html
 80年代、限られた顧客層を「自由、個性、冒険」というテーマにし、ハーレーのオーナーを会員化することで優越感を高め、イベント、ツーリングなどを頻繁に開催。バイクに乗る楽しみを共有する仕組みを作ったのだ。
 ハーレーに乗る人たちは、入れ墨、革ジャン、アクセサリーなど独特のファッションに身を包み、自らが宣伝マン、広報者となって存在そのものを外へアピールする。また、一万点にも及ぶ装飾部品を提供し、「私だけのバイク」という気持ちを満たすのもニクイ。

 この記事のまとめは、ハーレーはバイクではなく【娯楽を売るエンターティメント産業】であり、メーカーではなくバイクを媒体にしたサービス業だ、と結んでいる。
 

 「人の裏に道あり花の山」
 これは相場の格言だが、私がビジネスを判断するするときに大切にしている視点。
 みんなが進んでいく道は、競合も激しく厳しい。人の行かない場所にこそ、生き残る道がある。
 ハーレーのモデルは、理念、商品開発、ブランド戦略、顧客のロイヤリティを高めるコミュニティ化・・・これらの融合から生まれている。

 クチコミュニティ・マーケティングは、まさにこうした生き様を追求したいと思う。
 ハーレーは一例。センスが必要とかデザインに凝る、といっているのではなく、周囲に振り回されず、自分たちの個性を深め、お客様とともに絆を強める姿勢を学びたい。
 それが「カッコいい」生き方であり、人がクチコミをする源になる。
「うちは地域密着の商売だからインターネットは、関係ない。地域の人が集 まるクチコミをどうやって作ればいいのですか」といわれることがある。

そうだろうか?
商売の基本は、それがインターネットであろうが、通信販売であろうが、法 人相手のビジネスであろうが、すべて同じだということはお気づきだろうか。



経営のヒント
商売繁盛の基本は「お客に喜ばれること」
そのためには?どうすればいいのか?
1, お客様を知ること
2, お客に喜ばれる価値観を提供すること。
3, お客が参加できる場を提供できる仕組みをつくること。

ハーレーは、ピンチになった時に、顧客がいったい何を求めているのか?
全役員が、自分でバイクに乗り、求めている「価値観」を調査した。
その結果、事業目的を変えたことが、スタートとなった。
わが社の事業目的は、「バイクに乗る楽しみを提供する!」